特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅲ.術前・術後管理における薬物療法の実際
10.腹腔鏡下外科手術
万代 恭嗣
1
,
出月 康夫
1
1東京大学医学部第2外科
pp.100-101
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900954
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腹腔鏡下外科手術には現在,胆嚢摘出術を初めとして胃切除術,迷走神経切離術,腸切除術,虫垂切除術,ヘルニア根治術など多様の術式が含まれる(表1).わが国では,このうち腹腔鏡下胆嚢摘出術が保険適用も認められるようになっており,全国各地で広く行われるようになりつつある.しかし,他の手技についてはその応用が試みられているものの,まだ一般的ではない.そこで,ここでは腹腔鏡下胆嚢摘出術を中心に,われわれの教室で行っている周手術期の薬物療法につき述べる.
腹腔鏡下胆嚢摘出術は腹壁に対する侵襲が少ないため術後の回復が早い.しかし,この点を除けば腹腔内操作は従前の開腹手術と同等であり,さらには気腹という特殊状態の下で行われるため,短期間ではあるが周手術期の管理については,薬物療法も含め従来行われたと同様の術前・術後管理が必要となる.
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