教育セミナー 消化器一般外科領域における技術認定—審査基準と採点のポイント
腹腔鏡下脾臓摘出術
万代 恭嗣
1
1社会保険中央総合病院外科
pp.503-507
発行日 2006年8月15日
Published Date 2006/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900735
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共通基準における審査のポイント
共通基準には,内視鏡下外科手術の基本的操作が列挙されており,これらはいずれも信頼性のある安全で確実な手術を実施するために,クリアされるべき必須の基準である.共通基準であるから,どの臓器の手術であっても,1つ1つの操作手順について,カテゴリーⅠからⅢまでのすべての項目が審査され,最終的に術式全体を通してこれを包括して各カテゴリー項目の点数づけが行われる.例えば,非優位側の鉗子の動きとして,脾の授動,脾の脱転などそれぞれの場面で適切とすべき手技があるが,どれか1つの場面だけを取り上げて判定されるのではないことは,当然である.各場面での操作の積み上げが,カテゴリー別の得点となる.逆に,全体からみて少数のやや不的確と思われる操作がみられたとしても,内視鏡下外科手術の特殊性から,必ずしもそれだけで不合格となるのではないことをご承知いただきたい.不合格となりやすいのは,あちらでも,こちらでも,あるいは,さっきも,今度も,といった形で共通基準をクリアしない状態を続けながら手術をしている手技である.したがって,申請者は,良好な技量が手術全体の流れのなかで発揮されていることを示すようなビデオを提出していただければよいこととなる.
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