特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅲ.術前・術後管理における薬物療法の実際
8.Crohn病手術
有馬 純孝
1
,
二見 喜太郎
1
1福岡大学医学部筑紫病院外科
pp.96-97
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900952
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クローン病は全消化管をおかす非特異性炎知症性腸疾患であり,本邦でも増加傾向にある.治療法としては,現在,成分栄養剤(Elemental Diet;ED)を用いた経腸栄養療法(ED療法)や中心静脈栄養療法(Total Parenteral Nutrition;TPN療法)などの栄養療法が主体であり,その効果はほぼ確立されつつある1,2)).
外科的処置は,狭窄,瘻孔,膿瘍,穿孔,出血などの合併症を有した症例が対象となる,穿孔,大出血については緊急手術が必要であり,絶対的手術適応例であるが,その他の場合は栄養療法無効例に対して手術が行われる.入院の上,十分な管理の下にEDあるいはTPNを行うと,比較的早期に自覚症状,炎症反応の改善はみられるが,X線学的に改善のみられない症例あるいは易再燃性のため完全栄養療法から離脱できない症例に対して手術を行っており,手術理由としては口側腸管の拡張を伴う狭窄,内瘻(小腸—大腸瘻,腸管—尿路系瘻),腸管皮膚瘻,膿瘍などが挙げられる3).
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