Japanese
English
特集 いまイレウスを診療する
E イレウス診療におけるpitfall
イレウス診療におけるpitfall—当院の重症化症例の検討から
Pitfalls in the management of intestinal obstruction
鈴木 篤
1
,
露木 静夫
1
,
大倉 哲朗
1
,
岡村 博
1
,
高 重義
1
,
内村 逸郎
1
,
泉 宏重
1
Atsushi SUZUKI
1
1みさと健和病院外科
pp.783-789
発行日 1992年6月20日
Published Date 1992/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900833
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ポイント:イレウス治療は,その原因に即応した手術療法の一方で,高カロリー輸液やlong tubeなどによる保存療法が普及し,癒着性イレウスの手術率は低下傾向にある.しかし,イレウス診療には時にpitfallがあり,特に保存療法例には注意が必要である.そこで,地域病院である当院の8年間のイレウス症例364例の中で,イレウス診療上のpitfallを検討した.当院の癒着性イレウスに対する手術率は17.6%まで低下しており,イレウス術後死亡率も4.2%であったが,死亡例の半数は血管閉塞性イレウスであり,この疾患のイレウス診療上の重要性が再認識された.また,開腹術直後例,進行癌術後例,薬物大量内服例,膠原病患者などのイレウスの中に,発症時考えられた成因とは全く異なる病態が存在した症例があり,全身状態に対する敏速な対応と腸管の検索の重要性が確認された.
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