今月の臨床 産婦人科エコー診断—撮り方,読み方のこつとポイント
トピックス
4.妊娠初期のパルスドップラー
夫 律子
1
,
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産婦人科
pp.591-595
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902521
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
昨今,経腟超音波法の普及により妊娠初期の子宮内の状態が手に取るようにわかるようになってきた.また,カラードップラーやパルスドップラーを用いることにより,妊娠中期・後期における胎児胎盤の血流状態を明らかにでき,広く日常臨床に応用されるようになっている.最近では,カラードップラー,パルスドップラー機能を兼ね備えた経膣プローブの登場により,妊娠のごく初期から子宮胎盤血流,胎児血流の観察が可能となり,1990年頃から報告が散見されるようになってきた1-5).
われわれはAloka SSD−2000, SSD−3000と5.OMHz, 7.5 MHz経腟プローブ,3.5 MHz経腹プローブを用いて正常妊娠における妊娠前半期の子宮動脈,らせん動脈,臍帯動静脈の観察を行った.妊娠週数は妊娠8〜10週でのCRLにより補正し,妊娠15週までは経膣超音波を,16週以後は経腹超音波を用いた.患者は膀胱空虚状態で砕石位または仰臥位とし,すべての観察は1人の検者により行われた.各動脈波形はRI(resistanceindex)およびPI(pulsatility index)を測定し評価した.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.