Japanese
English
総説
ドップラー血流測定装置の功罪
The Princeples and Pitfalls on Using Doppler Ultrasonography during Surgery
児玉 南海雄
1
,
遠藤 雄司
1
,
生沼 雅博
1
,
佐久間 潤
1
,
鈴木 恭一
1
,
松本 正人
1
,
佐々木 達也
1
Namio KODAMA
1
,
Yuji ENDO
1
,
Masahiro OINUMA
1
,
Jun SAKUMA
1
,
Kyouichi SUZUKI
1
,
Masato MATSUMOTO
1
,
Tatsuya SASAKI
1
1福島県立医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery,Fukushima Medical University
キーワード:
Doppler phenomenon
,
Doppler ultrasonography
,
pitfall
,
blood flow insufficiency
,
aneurysm surgery
Keyword:
Doppler phenomenon
,
Doppler ultrasonography
,
pitfall
,
blood flow insufficiency
,
aneurysm surgery
pp.109-117
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100029
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Ⅰ.はじめに
主として血管系手術の術中に,動脈や静脈の血流の有無をチェックする目的で超音波を用いたドップラー血流測定装置が使用されている1,8,9).その簡便さ故にあまねく世界中に拡がっており,その信頼度はかなり高い.
しかし,本装置から超音波を発射する形式には2つの方法があり,いずれの様式であるかを確認しないで使用すると誤った判断を下す危険がある.この他にも本装置の詳細を理解しないで使用した場合に陥るpitfallも少なくない.われわれは約20年以上の使用経験を有するが,時折理解し難い矛盾に遭遇したことから調べてみると,前述した超音波発射方式の違いをはじめ多くの点においてわれわれの理解度が低い現実を思い知らされた.さらに機器製造会社の説明文やカタログにはblack boxが多く,本装置は広く普及しているものの内容的に十分な知識の裏付けを持って使用している人は意外に少ないのではないかと思われた.
本稿では術中に用いるドップラー血流測定装置の使用上の注意点を主体に記述したが,筆者らは超音波に関する専門家ではないので,例えばドップラーの表記も学会の決まりではドプラが正しいとのことであるがあえて一般的な表現を用いたし,内容に関しても誤りがないとはいい切れず,厳しい御指摘や御批判を頂戴できれば幸いである.
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