Japanese
English
特集 若年者癌診療の実際
若年者の癌化学療法—特に自家骨髄移植併用大量化学療法について
Cancer chemotherapy for young generation:High-dose chemotherapy and autologous bone marrow transplantation
井上 雄弘
1
,
向山 雄人
1
,
小川 一誠
1
Katsuhiro INOUE
1
1癌研究会附属病院化学療法科
pp.1377-1384
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900676
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
癌による死亡は30歳台ですでに死因の28%を占め,40歳台では36%となっている.若年者の癌化学療法では高齢者と異なり,臓器機能やperformance statusが十分保持されていることが多く,十分量の抗癌剤の投与が可能である.そのため現在の再発進行癌に対する通常の治療より,より高い奏効率と長い生存期間,ひいては治癒を得るために自家骨髄移植を併用した抗癌剤の大量療法が研究されている.特に最近,自家末梢血造血幹細胞の移植やコロニー刺激因子の臨床応用による移植幹細胞の分化・増殖促進が可能となり,より安全に大量療法が実施されるようになった.悪性リンパ腫や乳癌の耐性化例に対しても奏効率は80%と高く,今後の若年者に対する癌化学療法のひとつの方向を示している.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.