今月の主題 白血病—最新の知見と治療の進歩
特殊な治療法
自家骨髄移植
原田 実根
1
1金沢大学医学部・第3内科
pp.1600-1601
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219929
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HLAの一致する同胞をドナーとして行われる同種骨髄移植(allo-BMT)によって,白血病の治療成績は飛躍的に向上し,たとえば急性骨髄性白血病(AML)の初回寛解時移植では,50%以上の症例が無治療で長期生存可能となってきている1).しかしながら,allo-BMTが適応と考えられる白血病の2/3以上の症例では,HLA適合ドナーが得られない.そこで,allo-BMTにかわる方法として,1)自家骨髄移植(auto-BMT),2)HLA不適合ドナーからのallo-BMTが試みられている.
図は,auto-BMTを利用する悪性腫瘍の治療方式を示したものである.Auto-BMTによって血液学的再構築を図ることができるので,従来の治療量をはるかに超える大量の抗癌剤投与や放射線照射が可能となる.筆者らは,これまで進行性の悪性リンパ腫および固型癌15例にauto-BMTによる治療を行い,現在5例が完全寛解で3.5年以上生存中という成績を得ている2).
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