特集 術前・術後管理 '91
H.術後合併症の対策
f.肝・胆・膵・脾術後の合併症
胆汁性腹膜炎
内村 正幸
1
,
前田 茂人
1
,
脇 愼治
1
1県西部浜松医療センター外科
pp.294-296
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900657
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■原因■
胆管胆嚢の病的穿孔や外傷あるいは手術時の胆道損傷によって胆汁が腹腔内に漏出し発症する胆汁性腹膜炎は,他の急性化膿性腹膜炎に比し重篤化する例が多く,死亡率も高い.その原因として,腹膜炎の発生に際し,胆汁中の細菌性因子に加え,腹腔内に漏出した活性化胆汁の化学的毒性因子が関与していることがあげられる1).
近年,胆道系の診断,治療に行われるPTCD(Percutaneous transhepatic choledochographyand drainage)やPTCCD(Percutaneous trans-hepatic cholecystography and drainage)の操作中に発生する胆嚢胆管穿孔や留置したカテーテルの逸脱抜去によっても胆汁性腹膜炎を生じうる.特にT-tube抜去後に発生する胆汁性腹膜炎は,術後の合併症としてその対策を考える必要がある.
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