Japanese
English
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非穿孔性胆汁性腹膜炎の1例
One Case of Non Perforative Gallic Peritonitis
白松 三省
1
Sansei SHIRAMATSU
1
1東京都文京区戸崎町山内外科病院
1Yamauchi Sergical Hospital
pp.425-428
発行日 1949年8月20日
Published Date 1949/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200507
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緒言
腹腔内に滲出せる胆汁に由りて惹起さるる胆汁性腹膜炎は,その腹膜炎の穿孔性たると,非穿孔性たるとを問わず,経過のまことに急速にして重篤なることは敢て余の説くまでもない。之に反して解剖学的関係により,急劇なる症状を呈する事なく,剖檢により初めて発見される樣な場合のある事も既に諸家の認むる処である。殊に非穿孔性胆汁性腹膜炎に関しては,1910年Clairmont u. Haberer両氏に依りて初めて提唱されたるも,その後,報告例に乏しく,その成立機轉に就ても未だ確たる定説を欠くが如き現況にあつて,その治療上,又予後の上から甚だ愼重なるべきと共に,興味深きものであると信ずる。余は最近何等の誘発的原因を有せざる強壮男子に於て,まことに急劇に,然も胃穿孔を疑わしめた患者に,開腹術を施行せるも遂に不幸なる轉帰をとりし胆汁性腹膜炎の,肉眼的には勿論,病理細織学的にも穿孔を認めざりし1例を経驗したるにより,敢て諸家の驥尾に附して報告する次第である。
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