特集 血栓・止血の異常を理解する―広くて深い基礎知識
[Chapter 2] 血栓・止血に関連する疾患
C.出血性疾患
血友病
日笠 聡
1
,
徳川 多津子
1
,
澤田 暁弘
1
1兵庫医科大学 血液内科
キーワード:
血友病A
,
血友病B
,
第Ⅷ因子
,
第Ⅸ因子
Keyword:
血友病A
,
血友病B
,
第Ⅷ因子
,
第Ⅸ因子
pp.776-780
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_776
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▪血友病は凝固第Ⅷ(Ⅸ)因子の量的,質的欠乏に基づく出血性疾患である.
▪出血症状は関節内出血が最も多く,次いで筋肉内出血が多い.
▪活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の単独延長があり,第Ⅷ(Ⅸ)因子のみが40%未満に低下,von Willebrand因子正常,ループスアンチコアグラント,第Ⅷ因子インヒビター陰性の場合,血友病A(B)と診断する.
▪治療の基本は,第Ⅷ(Ⅸ)因子濃縮製剤を静脈内投与し,出血を防止,あるいは止血する補充療法である.
▪血友病A(インヒビター保有例を含む)の出血防止には,第Ⅷ因子機能代替製剤(emicizumab)も使用されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2023