Japanese
English
特集 食道静脈瘤治療の焦点
再発静脈瘤の病態と治療
Pathophysiology and treatment of recurrent oesophago-gastric varices
加藤 紘之
1
,
金谷 聡一郎
1
,
中島 公博
1
,
奥芝 俊一
1
,
下沢 英二
1
,
田辺 達三
1
,
佐藤 隆啓
2
,
須賀 俊博
2
,
村島 義男
2
Hiroyuki KATOH
1
1北海道大学医学部第2外科
2札幌厚生病院消化器科
pp.711-720
発行日 1991年6月20日
Published Date 1991/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900453
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肝予備機能が比較的良好な食道・胃静脈瘤症例を治療法別に比較検討した結果,内視鏡的硬化療法施行の再発率・再出血率がシャント手術に比べ有意に高かった.しかし,硬化療法を繰り返し続けた結果,3年・5年累積生存率に差はなかった.硬化療法後の難治性食道・胃静脈瘤に対する手術を10例に施行したが,そのうち2例は門脈本幹に血栓を形成しており,今後注意すべき合併症と考えられた.シャント手術の再出血率は2.0%と低く,就労率74.2%と良好であることから,硬化療法施行例の中で,初回入院時に4回以上の治療が必要な症例には手術が適応されても良いと思われる,両者を適宜組み合わせたcombination therapyが今日的治療指針である.
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