胆道手術の要点—血管処理からみた術式の展開・12
乳頭部癌の手術
加藤 紘之
1
,
下沢 英二
1
,
児嶋 哲文
1
,
奥芝 俊一
1
,
中島 公博
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.617-619
発行日 1990年5月20日
Published Date 1990/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900099
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はじめに
乳頭部癌は膵癌,胆管癌にくらべ比較的予後の良いことが期待されるが,十二指腸潰瘍形成例,膵被膜浸潤例などでは必ずしも良好な成績は得られていない.しかし,主病巣が小範囲なだけに,膵癌同様の拡大膵頭十二指腸切除術を行えば根治率をさらに向上し得る可能性がある.一方,非露出腫瘤型とくに胆管側に病変をもつ例や乳頭型では,リンパ節転移の確率は低く縮小手術が妥当である.現在のところ,術前にこれら病変の拡がり,腫瘍の性質を確実にとらえることはできず,外科医の考えに基づいて拡大あるいは縮小手術が選択されている.ここでは乳頭腫瘍切除術1),全胃温存膵頭十二指腸切除術2〜5),膵頭十二指腸切除術の際の中等度拡張例に対する膵腸吻合法について述べる.
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