胆道手術の要点—血管処理からみた術式の展開・13
胆嚢癌の手術
加藤 紘之
1
,
下沢 英二
1
,
児嶋 哲文
1
,
奥芝 俊一
1
,
中島 公博
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.620-623
発行日 1990年5月20日
Published Date 1990/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900100
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はじめに
胆嚢癌が無症状のうちに偶然発見されるか,または黄疸・発熱などの症状が発現して発見されるかによって,とるべき術式あるいは予後は大いに異なる.40歳を越える女性の胆石保有者はhigh riskグループであり,胆嚢摘出に際しては直後に粘膜面をよく観察することが肝要である1).超音波装置の発達普及によりpolypoid lesionの発見される頻度が増し,また膵管胆道合流異常の診断率も高まっている今日,胆嚢癌のhigh riskグループには予防的胆摘術が推奨されている.胆嚢癌に伴う臨床症状が出現してからの手術は極めて予後が悪く,したがってその根治的手術術式については多くの議論がある2〜5).
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