Japanese
English
特集 食道静脈瘤治療の焦点
食道静脈瘤の薬物療法
Prophylactic drug therapy for esophageal varices
豊永 純
1
,
岩尾 忠
1
,
谷川 久一
1
Atsushi TOYONAGA
1
1久留米大学医学部第2内科
pp.685-694
発行日 1991年6月20日
Published Date 1991/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900450
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食道静脈瘤破裂の機序として,門脈圧の病的上昇以外に決定的なものは明らかにされていない.したがって,門脈圧低下作用を有する薬物は静脈瘤破裂の予防的見地から有効であるものと思われる.門脈圧降下剤はその機序から,vasoconstrictorとvasodilatorに大別される.前者は主として内臓血管抵抗を上昇させることで門脈血流量を減じ,後者は肝内血管抵抗を低下させることにより門脈圧を低下させる.この薬理作用から,vasoconstrictorの使用にあたっては肝機能への悪影響が懸念される.それゆえ,今後はvasodilatorを主体とした治療に成果が期待される.また,両者のcombination therapyも最近新たに試みられており,この面からも期待がもたれる.
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