Japanese
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特集 食道静脈瘤治療の焦点
食道静脈瘤併存肝細胞癌症例へのStrategy—内視鏡的硬化療法とHassab手術を中心に
Management of esophageal varices and concomitant hepatocellular carcinoma
塚田 一博
1
,
吉田 奎介
1
,
長谷川 滋
1
,
加藤 英雄
1
,
富山 武美
1
,
白井 良夫
1
,
武藤 輝一
1
Kazuhiro TSUKADA
1
1新潟大学医学部第1外科
pp.677-683
発行日 1991年6月20日
Published Date 1991/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900449
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食道静脈瘤併存肝細胞癌症例における緊急止血法として,内視鏡的硬化療法のみでの止血救命率は20%(1/5)にとどまり,止血し得ない場合,Hassab手術の追加は有効であった.肝切除とHassab手術併施例では長期に静脈瘤出血が防止された.待期的および予防的硬化療法では,肝癌進行に伴う静脈瘤出血を完全には防止できなかった.
肝癌に合併する高度食道静脈瘤に対して,肝切除ないし肝動脈挿管など開腹手術の適応ある症例ではHassab手術と硬化療法を併用し,非開腹例では硬化療法による対処を原則とするが,非開腹例でもTAE等により長期生存可能と思われる症例ではHassab手術の併施を考慮すべきである,
食道静脈瘤併存肝癌例でも,肝切除ができた症例の5年累積生存率は41.7%と良好であり,積極的な治療方針で臨むべきであると考えられた.
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