Japanese
English
特集 食道静脈瘤治療の焦点
予防的治療の評価と問題点—内視鏡的硬化療法
Prophylactic endoscopic injection sclerotherapy of esophageal varices
萩原 優
1
,
酒井 昌博
1
,
中野 末広
1
,
長岡 至朗
1
,
岡野 亨
1
,
猪狩 次郎
1
,
守屋 仁布
1
,
窪田 倭
1
,
片山 憲恃
1
Masaru HAGIWARA
1
1聖マリアンナ医科大学第1外科
pp.695-701
発行日 1991年6月20日
Published Date 1991/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900451
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食道静脈瘤に対する予防的内視鏡的硬化療法について,検討を加えた.予防的硬化療法の適応としては,①内視鏡的にどの程度正確に,静脈瘤出血の危険性を予知できるか? ②肝機能を中心とした全身状態からみた硬化療法の適応,③硬化療法の合併症の種類と危険性,④硬化療法により,静脈瘤出血率と予後が改善されるか? などを検討しなければならない.
われわれの110例の予防的硬化療法の成績は5年累積生存率64%,治療後静脈瘤出血は7例(6.4%)であった.本邦では,risky varlcesから出血する率は40%位と高いといわれており,硬化療法による合併症も増大傾向になく,慎重な意見があるものの容認されてる.
一方,欧米ではProspective controlled randomized trialの成績より,効果を認めている報告もあるが,最近では安易に施行せず,もし行う際には臨床研究を目的として施行されるべきであるという意見が多い.
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