Japanese
English
臨床研究
食道静脈瘤に対する硬化療法
A sclerotherapy in the treatment of bleeding from esophageal varices
曽我 基行
1
,
K. J. Paquet
2
Motoyuki SOGA
1
1東京女子医科大学外科
2Oberarzt der Chirurgische Universitats-Klinik
pp.363-368
発行日 1981年3月20日
Published Date 1981/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207634
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はじめに
現在,門脈圧亢進症に起因する食道静脈瘤の破裂に対する治療といえば,まず何よりも止血対策が優先され,循環・呼吸系の安定を確保した上でさらに保存的療法を続けるか,あるいはシャント手術,直達手術などの外科的療法に踏み切るかを選択するというのが一般的な考え方であろう.
急性大量出血の際,直接止血効果を挙げ得るのはSengstaken-Blakemoreチューブであろうが長時間の圧迫が食道粘膜の壊死を生じ,かえつて出血を助長させたり,胸管のリンパ流を妨げたり,A-Vブロックを起したり,気道内誤飲を生じたり,また圧迫回数がふえてくると全身状態いかんによつてはその後の治療方針がますます難しくなつてくるのもまたびたび経験することである1).
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