特集 癌のPalliative Therapy
EDITORIAL
島津 久明
1
Hisaaki SHIMAZU
1
1鹿児島大学医学部第1外科
pp.411-413
発行日 1991年4月20日
Published Date 1991/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900408
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
癌の進展過程は臨床上,初期(early stage),後期(late stage)および終末期(terminal stage)の3つの病期に区分される.各病期における病変は非転移性癌(non-metastatic cancer),進行癌(advanced cancer)および末期癌(terminal can-cer)であり,治療に際しては,それぞれに応じた対策が要求されることになる.
初期の癌は主として外科治療の対象になり,通常,これによるcurative therapy(治癒的治療)の実施が十分に可能である.とくに,いわゆる早期癌の範疇に属するものであれば,侵襲の少ない手術方針で済み,後療法を併用する必要もなく,再発の危険も少ないのであまり問題はない.これらの患者では,後述する術後のquality of life(QOL)の観点から縮小手術,機能温存手術,再建手術などにも多くの関心が寄せられ,これらによって患者は術前とほぼ同様の生活に復帰することができる.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.