特集 内視鏡下外科手術
EDITORIAL
出月 康夫
1
Yasuo IDEZUKI
1
1東京大学医学部第2外科
pp.917-918
発行日 1991年8月20日
Published Date 1991/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900481
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内視鏡下外科手術は,欧米では一昨年から,わが国では昨年から急速に普及しつつある手術である.従来から外科手術は,“手術侵襲”という言葉が示すとおり,侵襲的(invasive)な治療法であり,病巣をとり除くためには生体に侵襲が加わることはやむを得ないという前提のもとに成り立ってきた治療法である.したがって,疾病の治療の理想からは程遠いものであり,これまでの外科治療のいわば泣き所であったといえよう.
内視鏡下外科手術は,できるかぎり侵襲の少ない手術(minimally invasivesurgery)を目指した新しい手術法であるが,“minimally invasive”という点ではなお十分とはいえない.しかし,従来の手術法と比べると多くの利点があり,少なくともminimal access surgeryとしては十分に評価できる.外科手術の究極の目標の1つである“minimally invasive surgery”に向かって一歩踏み出した点で,外科手術の歴史上画期的なものであることは間違いない.
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