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特集 乳房温存療法の実践
乳房温存療法の現状と問題点
Current concepts and controversies in breast preserving operation for breast cancer
阿部 力哉
1
Rikiya ABE
1
1福島県立医科大学第2外科
pp.315-322
発行日 1991年3月20日
Published Date 1991/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900392
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乳房温存療法は手術を受ける乳癌患者の乳房喪失を避けたい美容上の要求から施行されるものである.従来から行われてきた定型あるいは非定型乳切に勝る生存率を得るための手術法ではない.この点が生存率の向上を目指して種々考案されてきた手術法の改善とは異なる点である.患者の美容上の要求,検診などによる早期乳癌発見の頻度が増してT0,T1乳癌手術の機会が増えたこと,乳癌のリンパ節転移に対する考え方の変化,定型乳切との無作為比較試験結果などの時代的背景があって,乳房温存療法が施行されるようになった.欧米では病期I乳癌に対しては照射を併用した乳房温存手術はかなり普及してきている,日本ではやっと試み始められたばかりであり,この内外の現状と問題点について考察をした.
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