特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
癒着性イレウス
内科から
細田 四郎
1
,
中條 忍
1
,
辻川 知之
1
1滋賀医科大学第2内科
pp.1395-1398
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900230
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
癒着性イレウスは主に小腸・大腸の先天性癒着,炎症性癒着,手術後癒着などによって起こり,臨床上問題となるのはほとんどが開腹術後の癒着性イレウスである.これは機械的イレウスの発生原因の約6割を占めており,とくに成人の小腸機械的イレウスの大半を占めるといっても過言ではない.また,癒着性イレウスには単純性と絞扼性があり,それぞれの治療方針は大きく異なっている.癒着性絞扼性イレウスは緊急手術を要し,癒着性単純性イレウスは保存的治療の適応となりうるが,臨床上,単純性か絞扼性かの鑑別診断に苦慮することも少なくない.
今日,IVHによる栄養管理や減圧チューブの改良に伴い,癒着による単純性イレウスの死亡率は減少し,また手術される症例も以前より少なくなりつつあるが,保存的治療が長期化する症例や,再発をくり返す症例では,その手術適応をいかに決定すべきかが新たな問題となっている,
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.