特集 小腸内視鏡が変えた疾患マネージメント
疾患マネージメントに大きく変革がもたらされた病態 小腸異物
馬場 重樹
1
,
高橋 憲一郎
,
今井 隆行
,
辻川 知之
,
安藤 朗
1滋賀医科大学医学部附属病院 光学医療診療部
キーワード:
異物
,
病歴聴取
,
アルゴリズム
,
治療成績
,
異物誤飲
,
小腸疾患
,
カプセル内視鏡
,
ダブルバルーン小腸内視鏡法
,
イレウス管
Keyword:
Foreign Bodies
,
Algorithms
,
Treatment Outcome
,
Medical History Taking
,
Double-Balloon Enteroscopy
,
Capsule Endoscopes
pp.1847-1854
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2022082031
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小腸異物は、異物が食道や幽門輪を通過しかつ小腸内に停滞・存在している状況を指し、誤飲した物体側の要因や、腸側の要因、またはその両者が組み合わさって発症する。異物はカプセル内視鏡など医原性のものの報告が多く、腸側の要因としては術後狭窄、Crohn病などがあげられる。異物をそのまま放置することで消化管に対して重大な影響を及ぼすリスクがある場合には、可及的速やかに異物摘出術を行う。一方、消化管壁を損傷する可能性が低く、消化管に停滞しても人体に影響が少ない異物であれば、自然排泄を期待して経過観察してもよい。バルーン小腸内視鏡を用いた小腸異物へのアプローチは経口的あるいは経肛門的になされ、個々の状態に応じて選択される。経口的に到達が難しい場合は、イレウス管を併用する挿入方法が報告されている。異物の抜去時には腸管損傷を防ぐ目的でフードやオーバーチューブに引き込み、慎重に行う必要がある。
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