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特集 臓器全摘術の適応と問題点
膵全摘術の適応と問題点
Indications and problems of total pancreatectomy
鈴木 敞
1
,
西原 謙二
1
,
浜中 裕一郎
1
,
川村 明
1
,
品川 裕治
1
Takashi SUZUKI
1
1山口大学医学部第2外科
pp.963-971
発行日 1990年8月20日
Published Date 1990/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900155
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膵頭部癌に対する膵全摘術の適応について,最近の膵臓外科領域の進歩を踏まえて,あらたな視点より考察を加えてみた.その結果以下の結論を得た.①膵空腸吻合に伴う合併症の発生頻度は2.8%(1/36)ときわめて低く,同部位の吻合を避けるために膵全摘術を選択する意義は認められなかった.②膵全摘術後長期生存した3症例の検討から,膵全摘を実行するにあたっては,患者自身の十分な自己管理能力が不可欠であること,不必要な拡大切除は厳にいましめるべきであること,逆に,適切な機能温存術式を付加すれば良好な長期予後を期待しうること,などが判明した.③新たな画像診断法であるMRIは膵癌の発育形態をよく反映し,膵切離線の設定に有力であった.
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