今月の主題 膵疾患診療のトピックス
治療
膵全摘—膵炎における適応
高田 忠敬
1
Tadahiro Takada
1
1帝京大学医学部・第1外科
pp.578-579
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218223
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膵炎に対する膵全摘は,本邦では少数例にしか行われておらず,その適応についてはきわめて消極的である.これには,膵炎に対する外科治療が,膵内外分泌機能をできるだけ温存させる術式の選択が第1になされ,それなりの成績をあげていること,さらに膵全摘においては,その手術直接成績に加え,膵内外分泌機能の完全消失に伴う糖尿病や消化吸収障害に対する管理が終生必要となる,などが主たる理由としてあげられる.しかしながら,少数例とはいえども,膵全摘が施行された症例が存在することも事実であり,また,筆者らもこの2年間に2例の膵全摘の経験をもっている.これらの事柄をふまえ,膵炎に対する膵全摘の適応について述べてみたい.
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