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特集 臓器全摘術の適応と問題点
肺全摘術の適応と問題点
Indications and problems of pneumonectomy
加藤 弘文
1
,
岡田 慶夫
1
Hirofumi KATOH
1
,
Yoshio OKADA
1
1滋賀医科大学第2外科
pp.955-961
発行日 1990年8月20日
Published Date 1990/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900154
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肺全摘術は呼吸機能を大幅に低下させるので,なるべく避けるべき術式ではあるが,やむをえず実施する場合もある.摘除される肺の機能が廃絶したものや,癌の根治性の向上が期待されるものが主な適応となる.さらに,術後残存肺の機能が生存するに十分でなければならない.術中・術後にみられる肺水腫,気管支瘻,膿胸,肺炎,無気肺などが重要な問題であり,遺残死腔の縮小により胸郭の変形を来し,加齢による肺機能の低下と長期経過後の呼吸不全発生などが解決されるべき課題である.肺血管床の評価を加味した肺動脈閉塞試験に基づいた適応決定が手術成績を向上させ,術後のquality of lifeを高め,本術式の意義を増大させる.
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