増刊号特集 前立腺疾患'96
前立腺癌
治療法の選択と予後
前立腺全摘術の適応とテクニック
荒井 陽一
1
Yoichiro Arai
1
1倉敷中央病院泌尿器科
キーワード:
前立腺癌
,
前立腺全摘除術
Keyword:
前立腺癌
,
前立腺全摘除術
pp.195-198
発行日 1996年3月30日
Published Date 1996/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901760
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
適応
1.病期と年齢
癌病巣の完全切除という観点からみれば前立腺全摘の適応は病期T1およびT2と考えられる。T3に対する適応については議論の分かれるところである。最近ネオアジュバント・ホルモン療法の成績が報告されるにともない,T3にも適応が拡大されつつある。所属リンパ節転移陽性例では予後不良であり,全摘の適応は乏しいとされている。一方,全摘術と早期のホルモン療法で良好な成績が得られるとの報告もあり,必ずしも見解は一致していない。手術適応年齢の上限についてもまだ一定した見解はない。一般に期待生存期間が10年以上の症例とする意見が多い。これに従えば本邦では70歳前半までが一応の目安となろう。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.