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特集 Acute Care Surgery入門
臓器別の治療戦略と手技
外傷性肝損傷
Hepatic trauma
伊藤 香
1
Kaori ITO
1
1帝京大学医学部外科学講座Acute Care Surgery部門
キーワード:
肝外傷
,
肝門部損傷
,
ダメージコントロール手術
Keyword:
肝外傷
,
肝門部損傷
,
ダメージコントロール手術
pp.1253-1257
発行日 2024年11月20日
Published Date 2024/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214740
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【ポイント】
◆肝損傷の約90%が非外科的治療でマネジメント可能であり,造影CTにて肝実質内の造影剤血管外漏出が認められる場合,血管塞栓術もしくは手術の適応となる.
◆循環動態不安定な肝損傷患者は直ちに試験開腹術が必要となる場合もあり,特に凝固異常を伴う患者の場合の手術では,ダメージコントロール蘇生を意識した輸血戦略および,肝切除などの根治的手術よりも肝周囲パッキングによるダメージコントロール手術が選択される.
◆米国外傷外科学会(The American Association for the Surgery of Trauma:AAST)による肝損傷分類低グレード(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)の死亡は稀であるが,高グレード(Ⅳ,Ⅴ)の死亡率は10〜40%に及ぶ.非外科的管理に関連する合併症には,腹水,胆汁瘻,血管塞栓術に関連する肝壊死などがある.
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