書評
—窪田忠夫(執筆)—急性腹症の診断レシピ—病歴・身体所見・CT
高田 俊彦
1
1福島医大白河総合診療アカデミー
pp.579
発行日 2024年5月20日
Published Date 2024/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214536
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ジェネラリストを標榜する身としては,主訴をえり好みしてはいけないのかもしれない.しかしここだけの話,私は腹痛の診療が好きである.そして私が腹痛の診療に魅了されるようになったのは,本書の著者である窪田忠夫先生にその基礎を徹底的にたたき込んでいただいたからに他ならない.
腹痛の診療はとにかく奥深い.CTへのアクセスに恵まれた今日の診療では,鑑別診断をあれこれ考えなくてもCTを撮れば診断がつくことも多い.しかし,一方で病歴や身体所見といった,よりベーシックな情報に立ち返らない限り,正しい診断にたどりつくことのできないケースも少なくないのである.そして恐ろしいことに,そのような疾患の中には診断の遅れが致命的となるものが含まれている.
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