人
寡黙の情熱家 信愛病院院長 桑名忠夫氏
大久保 正一
1
1日大
pp.288
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207708
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病院の活動状況は,その病院の廊下を歩くと大体分かる.20年前の信愛病院の廊下は静かであったが沈滞し,このままでは,やがて消滅すると感じた.今の信愛病院はリハビリテーションの希望とデイ・ホスピタルを兼ねる明るさと躍動を,じかに受ける.この近代化の変貌に現院長桑名忠夫博士が大きく貢献したことはだれしも認める.特に病院と地域の行政機関,民間団体との強い結びつきが特徴となっている.
この特徴に桑名院長の履歴が関係している.1950年秋田県井川村の小学生集団結核の発見である.開放性結核の担任教師から40数名のクラスに20数名の感染者を出した.当時はアメリカ進駐軍のもとにあったからGHQ本部の専門家が東京から押しかけ,最新の医療,医薬が供給され犠牲者全員を回復させた.この状況はニューヨーク・タイムズによって全世界に報道された.
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