書評
—小坂眞一(著)—切る・縫う・結ぶ・止める—外科基本手技+応用スキル[Web動画付]
宮入 剛
1
1聖マリアンナ医大・心臓血管外科
pp.310
発行日 2022年3月20日
Published Date 2022/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213650
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本書のタイトル『切る・縫う・結ぶ・止める』は外科手術の基本である.初めて手術室に足を踏み入れた研修医の時代から,先輩医師に口を酸っぱくして指導された手術手技のイロハである.例えば,駆け出しの時代に,椅子の背柱や机の脚などで繰り返し糸結びを練習した記憶は,どの外科医にも残っているであろう.しかし,それらの動作を巨細な指の動きのレベルまで突き詰めた外科医は,そう多くないはずである.
本書は,外科医であれば普段何気なく行っている数々の基本手技を,手や腕の解剖学的特性から説き起こした他に類を見ない内容となっている.それらのメカニズムが,多数の写真やイラストによって解き明かされていくさまは,まるでベン・ホーガンの『モダン・ゴルフ』のように鮮やかである.あまつさえ,本書には著者自らが実演する動画が86本も添付されていて,実際の動作を見ながら学べるというおまけ付きである.
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