新らしい本
—小坂 英世 著—精神分裂症患者の社会生活指導
岡田 靖雄
pp.64
発行日 1970年10月10日
Published Date 1970/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204783
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分裂病は20世紀最大のナゾである。それはたしかに一つの病気だが,人生の深淵をマザマザとみせつける。そのナゾをまえに,ある人は実在する患者を無視してひたすらに試験管をふり,ある人は哲学的思索にふけり,またある人は手もうこかさずにじいっと患者をみつめている。
分裂病患者への治療的実践のなかで,あるきながらかんがえようという一群があり,その代表が生活臨床の旗印をかかげた,江熊要一さんら群大グループの人たちである。小坂さんは生活臨床にちかい考え方から出発して,かれの独自な分裂症理論を展開するにいたった。(なお,この一群はわが国に独得のもので,しかもインターナショナルなものだとわたしはかんがえている。)
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