病院めぐり
高山赤十字病院外科
白子 隆志
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1高山赤十字病院外科
pp.1173
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213454
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高山赤十字病院は,日本のほぼ中央にあたる岐阜県北部飛騨地方の中心都市,高山市にあります.高山市は平成の大合併によって全国で一番広い面積の市となり,東京都の面積とほぼ同じです.二次医療圏の飛騨地域はその2倍ですが,人口は減少傾向にあり約14万人,高齢化率も33%(令和2年)に達しようとしています.北アルプスや古い街並み,世界遺産白川郷などに年間450万人の観光客(外国人55万人)が訪れ,外国の街と錯覚するくらい賑わっていましたが,新型コロナによって大きく変化しました.高山市は国際観光都市を表明していることもあり,姉妹都市であるアメリカ・デンバー市・コロラド大学への研修や,中国・麗江市から多くの医師の受け入れを10年前から継続してきました.日々の診療においても,多くの外国人患者を受け入れてきた経験から『医療現場ですぐに役立つ外国人患者対応マニュアル』(Medical View社)を出版しました.
当院は,飛騨医療圏唯一の三次救急医療機関(救命救急センター)であるとともに,周産期,慢性期,福祉介護施設までの多機能を有する病院です.病院の歴史は古く,大正11年に前身の飛騨三郡立大野郡病院から日本赤十字社岐阜県支部斐太療院に移管され,現在創立98年を迎えています.医師数も臨床研修医を含めて70人と少ないため,診療科の垣根が低く,協力体制で日常診療,特に救急診療を行っています.2025年問題に向けた地域医療構想の影響で,394床からダウンサイズを行うとともに新病院建築計画を開始しましたが,この構想も新型コロナの経営面への影響を受け,現在一時凍結状態になっています.
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