Japanese
English
臨床報告
回腸膀胱瘻で発症した小腸悪性リンパ腫の1例
A case of intestinal malignant lymphoma presenting as an ileovesical fistula
山田 嵩宜
1
,
高久 秀哉
1
,
田野井 智倫
1
,
東 和明
1
Takanori YAMADA
1
1水戸済生会総合病院外科
キーワード:
小腸悪性リンパ腫
,
回腸膀胱瘻
Keyword:
小腸悪性リンパ腫
,
回腸膀胱瘻
pp.1038-1042
発行日 2021年8月20日
Published Date 2021/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213430
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要旨
症例は80歳,女性.体動困難を主訴に当院へ救急搬送され,尿路感染の診断で入院となった.尿道カテーテルから便の流出を認めた.腹部造影CT検査で回腸に壁肥厚があり,同部位と膀胱との瘻孔形成を疑った.膀胱鏡で膀胱内に腸液の流出があったため,回腸膀胱瘻と診断した.感染コントロールおよび診断目的に小腸部分切除術・膀胱部分切除術を施行した.病理組織診断の結果,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)と診断した.小腸悪性リンパ腫が他臓器と瘻孔形成をきたした症例は本症例を含めて文献的に13例であり,そのなかで膀胱瘻をきたした症例は3例とさらに稀である.回腸膀胱瘻で発症した小腸悪性リンパ腫の症例を経験したため報告する.
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