Japanese
English
臨床報告
腸管狭窄をきたした小腸悪性リンパ腫の1例
A case of malignant lymphoma of the small intestine which caused intestinal stenosis
杉 朋幸
1
,
高久 秀哉
1
,
貝塚 博行
1
,
田野井 智倫
1
,
朴 秀吉
1
,
東 和明
1
Tomoyuki SUGI
1
1水戸済生会総合病院外科
キーワード:
小腸悪性リンパ腫
,
狭窄
Keyword:
小腸悪性リンパ腫
,
狭窄
pp.105-108
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211918
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要旨
症例は80歳,女性.黒色便を主訴に当院を受診した.腹部骨盤CT検査で小腸の壁肥厚を,小腸造影検査で腸管の拡張不良を認め,精査中であった.初診から約2か月後,腹痛,嘔吐が生じ緊急入院となった.保存的治療で改善せず,腫瘍や炎症による小腸狭窄を疑い,入院後12日目に手術を施行した.Treitz靱帯から200 cmの小腸に狭窄を認め,腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した.病理組織検査で,小腸原発の濾胞性悪性リンパ腫と診断した.腸管狭窄をきたした悪性リンパ腫の本邦報告例をまとめると,肉眼所見で潰瘍型を呈していた症例が多かった.原因が特定されない小腸狭窄の症例において,本症の可能性を念頭に置くことが肝要である.
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