特集 消化管悪性リンパ腫1998
主題
Ⅱ.診断
小腸悪性リンパ腫の臨床病理学的特徴
中村 昌太郎
1,2
,
飯田 三雄
3
,
竹下 盛重
4
,
蔵原 晃一
1
,
松本 主之
3
,
八尾 隆史
2
,
恒吉 正澄
2
,
青柳 邦彦
1
,
藤島 正敏
1
1九州大学医学部第2内科
2九州大学医学部第2病理
3川崎医科大学内科消化器Ⅱ
4国立病院九州医療センター病理部
キーワード:
小腸悪性リンパ腫
,
MALTリンパ腫
,
予後
,
臨床病理学的検討
,
X線所見
Keyword:
小腸悪性リンパ腫
,
MALTリンパ腫
,
予後
,
臨床病理学的検討
,
X線所見
pp.383-396
発行日 1998年2月26日
Published Date 1998/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103606
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要旨 小腸原発悪性リンパ腫83例の臨床病理学的検討を行った.組織型は22例(27%)がlow-grade B細胞性(MALT12例,immunoproliferative small intestinal disease 2例,mantle cell 2例,follicle center 6例),48例(58%)がhigh-grade B細胞性(MALT 20例,diffuse large 16例,Burkitt 8例,lymphoblastic 4例),12例(14%)がT細胞性,1例はT/B細胞型の判定不能であった.肉眼型は限局隆起型(19例),限局潰瘍型(45例),MLP型(4例),びまん浸潤型(6例),混合型(9例)に分類でき,X線所見と同様に,組織型とある程度相関がみられた.小腸リンパ腫の予後(5年,10年生存率55%,47%)は胃リンパ腫より不良で,log-rank testでは,大腸や胃への浸潤,T/B細胞型,組織grade,MALT由来の有無,肉眼形態,病期,発熱,穿孔,リンパ濾胞性ポリポーシス,治癒切除の有無が有意な予後因子であった.
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