増刊号 早わかり縫合・吻合のすべて
4章 術式別の縫合・吻合法
肝臓
肝切除での大血管の吻合・縫合
石川 喜也
1
,
伴 大輔
1
,
工藤 篤
1
,
渡辺 秀一
1
,
上田 浩樹
1
,
赤星 径一
1
,
小川 康介
1
,
小野 宏晃
1
,
田中 真二
2
,
田邉 稔
1
Yoshiya ISHIKAWA
1
1東京医科歯科大学 肝胆膵外科学分野
2東京医科歯科大学 分子腫瘍医学分野
キーワード:
肝切除
,
下大静脈合併切除・再建
Keyword:
肝切除
,
下大静脈合併切除・再建
pp.242-246
発行日 2020年10月22日
Published Date 2020/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213153
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進行肝悪性腫瘍は,その解剖学的位置関係から,しばしば下大静脈へも進展する.肝細胞癌は主として下大静脈腫瘍栓を形成し,転移性肝癌や胆管細胞癌は脈管壁に直接浸潤を呈することが多い.前者は腫瘍栓の飛散による肺動脈塞栓をきたしうるため,突然死のリスクも抱える.根治をめざすうえで外科切除は必須であるが,一方で,肝切除の安全性が確立された現在でも,下大静脈合併切除は侵襲が大きく,その適応には慎重な判断が求められる1).手術を安全に遂行するためには,手術手技はもちろんのこと,他科や臨床工学技士との打ち合わせを含めた,入念な事前準備が必要不可欠である.本稿では下大静脈浸潤症例に対するわれわれの取り組みを紹介する.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2025年10月末まで)。
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