Japanese
English
臨床報告
愛知県在住者に発症し肝切除した多包性肝エキノコックス症の1例
A case of hepatic alveolar echinococcosis with liver resection in aichi prefecture
藤田 康平
1,2
,
春木 伸裕
1
,
越智 靖夫
1
,
山川 雄士
1
,
原田 真之資
1
,
篠田 憲幸
1
Kohei FUJITA
1,2
1トヨタ記念病院消化器外科
2大阪国際がんセンター消化器外科
キーワード:
多包性エキノコックス
,
肝切除
,
多包虫症
Keyword:
多包性エキノコックス
,
肝切除
,
多包虫症
pp.1229-1233
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213089
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要旨
症例は愛知県在住の47歳,男性.全身倦怠感を主訴に当院を受診した.20代に北海道の牧場に勤めていた.1年前から肝S4に石灰化を伴う不整形腫瘤を指摘され経過観察されていた.今回,腫瘤の増大を認めたため精査を行い,エキノコックス血清反応試験ウェスタンブロット法にて肝エキノコックス症と診断した.腫瘤は肝S4,5,8に存在しており中央2区域切除を施行した.病理組織診では虫体壁様構造物を認め,肝エキノコックス症に矛盾しない結果であった.再発予防にアルベンダゾール内服を行っている.近年,北海道外でも同症の報告が散見されるようになった.肝腫瘤を指摘の際には,本疾患を念頭において診断し,適切な治療介入が望まれる.
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