Japanese
English
臨床報告
リピオドールリンパ管造影が著効した骨盤内臓全摘出術後難治性リンパ漏の1例
A case of intractable lymphorrhea after total pelvic exenteration which was improved by lipiodol lymphangiography
坂本 あすな
1
,
大谷 弘樹
1
,
コルビンヒュー 俊佑
1
,
松田 直樹
1
,
矢野 匡亮
1
,
大橋 龍一郎
1
Asuna SAKAMOTO
1
1香川県立中央病院消化器一般外科
キーワード:
骨盤内臓全摘出術
,
側方郭清
,
直腸癌術後リンパ漏
,
リピオドールリンパ管造影検査
Keyword:
骨盤内臓全摘出術
,
側方郭清
,
直腸癌術後リンパ漏
,
リピオドールリンパ管造影検査
pp.1235-1240
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213090
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要旨
症例は80歳,男性.肛門痛を主訴に受診した.精査の結果,肛門や尿路系への浸潤をきたす巨大な下部直腸癌と診断された.術前化学療法後に骨盤内臓全摘出術を施行し,術後難治性リンパ漏を発症した.食事療法やオクトレオチド皮下注による保存的治療では改善がみられなかったが,鼠経リンパ節穿刺によるリピオドールリンパ管造影がリンパ漏の診断・治療に有用であった.腹部手術後のリンパ漏は稀な合併症とされているが,下部直腸癌手術などの広範なリンパ節郭清を伴う拡大手術において,時折,認められることがある.リンパ漏の遷延による低栄養状態は,感染症や縫合不全などのさらなる合併症のリスクを高めるため,早急な治療介入が望まれる.
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