Japanese
English
特集 遺伝性腫瘍とゲノム医療を学ぶ
遺伝性腫瘍
家族性膵癌
Familial pancreatic cancer
高折 恭一
1
,
森実 千種
2
,
北野 雅之
3
,
肱岡 範
2
,
谷内田 真一
4
,
松林 宏行
5
,
和田 慶太
6
,
鳥嶋 雅子
7
,
小杉 眞司
8
,
川口 喬久
9
,
増井 俊彦
10
Kyoichi TAKAORI
1
1市立長浜病院
2国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科
3和歌山県立医科大学第二内科(消化器内科)
4大阪大学大学院医学系研究科医学専攻ゲノム生物学講座・がんゲノム情報学
5静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
6帝京大学医学部外科学講座
7京都大学医学部附属病院遺伝子診療部
8京都大学大学院医学研究科医療倫理学・遺伝医療学
9京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター・疾患ゲノム易学解析分野
10京都大学医学研究科外科学講座肝胆膵・移植外科分野
キーワード:
familial pancreatic cancer
,
日本膵臓学会
,
家族性膵癌登録制度
Keyword:
familial pancreatic cancer
,
日本膵臓学会
,
家族性膵癌登録制度
pp.927-930
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213016
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
【ポイント】
◆一対以上の第一度近親者に膵癌発症者のいる家系のうち,既知の家族性癌症候群家系を除いたものを家族性膵癌家系と定義し,家族性膵癌家系の個人に発生した膵癌を家族性膵癌と呼ぶ.膵癌の5〜10%は家族性膵癌である.
◆BRCA2,BRCA1,PALB2,ATMなどの生殖細胞系遺伝子異常が家族性膵癌に関連しているが,具体的にどのような遺伝子異常が背景にあるか判明しているのは家族性膵癌全体の20%ほどに過ぎない.
◆膵癌の新患患者を診察する際には家族歴を徹底的に聴取し,特に膵癌,膵炎,黒色腫,大腸癌,乳癌および卵巣癌の家族歴に注目する.家族性膵癌や遺伝性癌症候群が疑われる場合には遺伝カウンセリングを考慮する.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.