Japanese
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特集 見直される膵癌診療の新展開
治療における新展開―膵癌手術の最前線
膵癌に対するneoadjuvant chemoradiationの意義
Clinical implication of neoadjuvant chemoradiation for treatments of pancreatic cancer
高折 恭一
1,2
,
増井 俊彦
2
,
川口 道也
2
,
岩永 康裕
2
,
水本 雅己
2
,
中村 晶
3
,
板坂 聡
3
,
平岡 眞寛
3
,
上本 伸二
2
Kyoichi TAKAORI
1,2
1京都大学学際融合教育研究推進センター
2京都大学医学部附属病院肝胆膵・移植外科
3京都大学医学部附属病院放射線治療科
pp.27-31
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104903
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【ポイント】
◆先端施設における切除可能膵癌に対する術前化学放射線療法(NACRT)の成績は比較的良好であるが,NACRTの生存期間延長効果を証明するには至っていない.R0率の向上,および潜在的な遠隔転移を有する症例を手術対象から除外することが,切除可能膵癌に対するNACRTの意義と考えられる.
◆切除不能局所進行膵癌に対してNACRTを行い,切除に至った症例は,最初から切除可能な膵癌と同等の生存期間が得られている.Borderline resectable局所進行膵癌に対するNACRTにはR0率向上が期待されており,十分に標準化された臨床試験により検討していく必要がある.
◆現時点で,膵癌にNACRTを推奨する高いレベルのエビデンスは確立されていない.化学療法,化学放射線療法,手術を,どのように組みわせて,どのような順序で,どのような症例に対して行うことが,最も治療成績向上に寄与するかを,質の高い臨床試験により検証していく必要がある.
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