特集 遺伝性腫瘍とゲノム医療を学ぶ
扉
pp.899
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213009
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遺伝子診断の飛躍的進歩により,外科医が日常的に接している腫瘍の中に少なからぬ頻度で遺伝性腫瘍(家族性腫瘍)が含まれていることが明らかとなってきました.遺伝性腫瘍においては,家系内発症に対するサーベイランス,遺伝子カウンセリングに配慮するとともに,複数の臓器に腫瘍を発症することが多いため,診療科を越えた知識や対応が必要となります.一方,薬物療法の進歩とともにバイオマーカーとしての遺伝子変異の重要性は増すばかりであり,マイクロサテライト不安定性(MSI)などに対する遺伝学的検査が日常診療の中で行われるようになりました.さらに,がん遺伝子パネル検査が保険収載され,臓器横断的に施行されるようになったことにより,臓器の枠を越えた多様な治療薬が選択できるようになるとともに,遺伝性腫瘍に関連する遺伝子変異が数多く同定されることが予想されています.
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