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特集 こんなときどうする!?—消化器外科の術中トラブル対処法
大腸
結腸・直腸手術時の尿管・尿道損傷
Treatment for ureter and urethral injury in colon and rectal disease
牛込 充則
1
,
船橋 公彦
1
,
金子 奉暁
1
Mitsunori USHIGOME
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器センター外科
pp.445-451
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212439
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【ポイント】
◆一般に,大腸疾患における術中の尿路損傷の頻度は少ないが,尿管損傷は隣接臓器に浸潤が疑われるclinical T4の局所進行癌,放射線治療既往例,膿瘍形成などの高度炎症並存例,骨盤手術後の高度癒着例,腹腔鏡手術中の出血などの偶発症発生時に,尿道損傷は腹会陰式直腸切断術時の会陰操作における直腸前壁の切離・授動時に発生しやすい.
◆解剖学的に,尿管損傷は左側の総腸骨動脈と,直腸近傍の遠位1/3の部位で発生が多い.
◆術前から尿管浸潤などで尿管の同定が難しいと予想される症例においては,尿管ステントの留置を行う.尿管ステントの留置による尿管の走行の同定は,尿管を合併切除するときの切離範囲設定の際にも有用な方法である.
◆尿管損傷では,損傷部位と範囲から様々な再建法があるが,下部尿管の再建では膀胱-尿管新吻合が施行されることが多い.再建にあたっては,術後の吻合部狭窄には留意が必要である.
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