FOCUS
NET G3の概念と治療,そして外科切除の役割
今岡 大
1
,
佐々木 満仁
1
,
高橋 秀明
1
,
橋本 裕輔
1
,
大野 泉
1
,
光永 修一
1
,
渡邊 一雄
1
,
梅本 久美子
1
,
木村 元
1
,
鈴木 裕子
1
,
菅 元泰
1
,
澁木 太郎
1
,
池田 公史
1
Hiroshi IMAOKA
1
1国立がん研究センター東病院肝胆膵内科
pp.1244-1249
発行日 2018年10月20日
Published Date 2018/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212196
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はじめに
神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm:NEN)は神経内分泌系への分化を示す上皮系腫瘍であり,消化管をはじめとして様々な臓器に発生しうる.発生臓器は膵や消化管のほか,肺や甲状腺など多岐にわたり,発生臓器ごとに分類,検討されることが多かったが,これらは臓器が異なっても多くの生物学的特徴を共有することから,近年NENとして総括されるようになってきた.NENの頻度は比較的稀であり,その罹患者数はアメリカの報告ではNEN全体で100,000人あたり年間6.98人1),本邦の報告では膵・消化管原発NENで年間2.69人と推定されているが2),いずれも増加傾向にある1,3).また,2010年,2017年のWHO分類改訂を経て,この領域の病理分類は大きく変わりつつある.本稿では,2017年WHO分類から新たに定義されたneuroendocrine tumor(NET)G3の概念と治療について述べる.なお,2017年WHO分類におけるNET G3の概念は,今のところ膵原発NEN(pancreatic neuroendocrine noplasms:PanNEN)に限定したものであるが,ここでは膵以外の臓器原発のNETにおいても,この基準を満たすものを,いわゆるNET G3として述べることとした.
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