Japanese
English
臨床報告
膵腫瘍との鑑別が困難であった膵頭神経叢第Ⅰ部由来のSchwannomaの1例
A case of a schwannoma arising from the cephalic plexus of the pancreatic head that was difficult to distinguish from a pancreatic tumor
山田 裕宜
1
,
家出 清継
1
,
大島 由記子
1
,
大島 健司
1
,
木村 保則
1
,
中尾 昭公
1
Hironori YAMADA
1
1名古屋セントラル病院消化器外科
キーワード:
神経鞘腫
,
膵頭神経叢
,
膵腫瘍
Keyword:
神経鞘腫
,
膵頭神経叢
,
膵腫瘍
pp.877-880
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212103
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要旨
症例は26歳,男性.健診にて腹腔内腫瘤を指摘されたため,当院へ紹介され受診した.精査すると膵頭部に長径10 cmの多房性囊胞性腫瘤を認めたが,膵頭部との境界は一部不明瞭であり,膵内病変か膵外病変かの判断は困難であった.確定診断には至らなかったが,悪性腫瘍である可能性を否定できないことを考慮し手術を施行した.膵頭部を授動すると,腫瘍は後腹膜から発生しており,膵頭神経叢第Ⅰ部との連続性を認めた.周囲への浸潤は認めず,腫瘍を一塊として摘出した.病理組織所見ではS-100蛋白陽性であり,膵頭神経叢第Ⅰ部由来のSchwannomaと診断した.膵頭神経叢から発生したSchwannomaは非常に稀であり,文献的考察を加えて報告する.
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