Japanese
English
臨床報告
腹壁瘢痕ヘルニアを契機に診断され修復術後に改善した特発性気腹症の1例
A case of idiopathic pneumoperitoneum which improved after repairing an abdominal incisional hernia
佐原 稚基
1
,
岡 正巳
1
,
寺澤 宏
1
,
藤田 洋一
1
,
北谷 純也
1
,
瀧藤 克也
1
Masaki SAHARA
1
1済生会有田病院外科
キーワード:
特発性気腹症
,
腹腔内遊離ガス
,
腹壁瘢痕ヘルニア
Keyword:
特発性気腹症
,
腹腔内遊離ガス
,
腹壁瘢痕ヘルニア
pp.627-631
発行日 2018年5月20日
Published Date 2018/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212044
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要旨
症例は81歳,女性.胆石症術後の臍部腹壁瘢痕ヘルニアの治療目的に紹介された.術前検査として行った胸腹部X線写真,および腹部CT検査にて著明な腹腔内遊離ガスを認めた.腹痛や炎症所見を認めなかったため,特発性気腹症と診断し,入院のうえ保存的に加療した.退院後も気腹状態は変わらず持続し,初診から4か月後に主訴であったヘルニアに対する修復術を施行した.同時に腹腔内の観察と腹水,遊離ガスの除去を行ったところ,ヘルニア術後は気腹症も改善した.腹膜炎症状のない特発性気腹症は保存的治療が可能ではあるが,長期に気腹状態の改善が困難な病態も存在し,症例によっては低侵襲の外科的処置が奏効する可能性が示唆された.
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