Japanese
English
臨床報告
術前CTにより原因となる腸間膜腫瘤を同定しえた腸管外アニサキス症による絞扼性イレウスの1例
A case of strangulation ileus due to a tumor of the mesenterium induced by extra-gastrointestinal anisakiasis that was detected with preoperative computed tomography
岡屋 智久
1
,
山森 秀夫
1
,
山本 和夫
1
,
越川 尚男
1
,
池田 充顕
2
,
菅野 勇
3
Tomohisa OKAYA
1
1千葉県済生会習志野病院外科
2千葉県済生会習志野病院放射線科
3千葉県済生会習志野病院病理
キーワード:
異所寄生虫症
,
腸管外アニサキス症
,
絞扼性イレウス
,
造影CT
,
PCR法
Keyword:
異所寄生虫症
,
腸管外アニサキス症
,
絞扼性イレウス
,
造影CT
,
PCR法
pp.1503-1508
発行日 2017年12月20日
Published Date 2017/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211890
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要旨
症例は40歳,男性.開腹歴なし.腹痛のため救急外来を受診した.腹部造影CTで小腸に高度狭窄を認め,近接腸管壁沿いに造影効果を有する腫瘤を認めた.同部での絞扼性イレウスと判断し,緊急手術の方針とした.手術所見では空腸間膜に母指頭大の腫瘤を認めた.腸間膜別部位との間に癒着が形成され,間隙に上流側空腸が陥入し絞扼していた.癒着を切離し絞扼解除後に腫瘤を摘出した.腫瘤の病理所見では好酸球性肉芽腫の中心部に凝固壊死した寄生虫体を認め,遺伝子検査でアニサキスの診断を得た.腸管外アニサキス症による肉芽腫が原因となった絞扼性イレウスは極めて稀であるが,開腹歴のない症例では鑑別疾患とし,術前画像診断に留意すべきである.
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