Japanese
English
臨床報告
合併奇形を有する完全内臓逆位の乳頭部癌に膵頭十二指腸切除術を施行した1例
A case report of duodenal papillary carcinoma with situs inversus totalis and anomalies treated with pancreaticoduodenectomy
八木 直樹
1
,
荒川 和久
1
,
安東 立正
1
,
富沢 直樹
1
,
清水 尚
1
,
本多 良哉
1
Naoki YAGI
1
1日本赤十字社前橋赤十字病院消化器病センター外科
キーワード:
完全内臓逆位
,
膵頭十二指腸切除術
,
乳頭部癌
Keyword:
完全内臓逆位
,
膵頭十二指腸切除術
,
乳頭部癌
pp.1509-1514
発行日 2017年12月20日
Published Date 2017/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211891
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要旨
症例は72歳,女性.近医で透析導入時,血液生化学検査で肝胆道系酵素の上昇を認めた.腹部CT検査で完全内臓逆位のほか,胆道拡張および乳頭部腫瘤を認めた.内視鏡所見で乳頭部は腫大し,生検で高分化型腺癌を認めた.乳頭部癌の診断で当科へ紹介され,膵頭十二指腸切除術の方針とした.完全内臓逆位のほか,血管系破格や腸回転異常症の合併奇形を有する症例であったが,術前・術中に腹部造影CT検査・3D-CT angiographyを用いて解剖学的理解に役立てることで安全な手術を遂行することができた.合併奇形を有する完全内臓逆位に対する膵頭十二指腸切除術は,報告例も少なく非常に稀であるため,文献的考察を加え報告する.
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