Japanese
English
臨床報告
腹膜垂による絞扼性イレウスの1例
A case of strangulated ileus caused by epiploic appendages
上村 眞一郎
1
,
荒瀬 光一
1
,
森田 圭介
1
,
田中 栄治
1
,
飯坂 正義
1
,
井上 克彦
1
Shinichiro UEMURA
1
1熊本労災病院外科
キーワード:
腹膜垂
,
絞扼性イレウス
Keyword:
腹膜垂
,
絞扼性イレウス
pp.1601-1604
発行日 2009年11月20日
Published Date 2009/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102883
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要旨:患者は70歳代,男性.下腹部痛で当院を受診した.腹部CTで下腹部に限局性の拡張と壁肥厚のある小腸を認め,絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.手術所見は,S状結腸の腹膜垂が回盲部の腸間膜に癒着し,それによってできた間隙にトライツ靱帯から280cm肛門側の回腸が約130cmの長さにわたって入り込み絞扼されていた.腹膜垂を切離して絞扼を解除したところ腸管の色調と腸蠕動が回復し,腸切除は行わなかった.腹膜垂が原因となった絞扼性イレウスの報告例は少なく,自験例を含めてイレウスの原因として術前診断された報告はなかった.開腹歴のないイレウスの原因として留意すべきであると思われるため報告する.
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