昨日の患者
鄙びた温泉宿を引き継ぐ
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.1391
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211859
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- 文献概要
人は生まれた地を離れがたく,そして身近な親の生き方を模範に生き続けるものである.先祖伝来の山間の温泉宿の湯守として,人生を謳歌している元患者さんを紹介する.
東北には鄙びた温泉宿が各地に点在し,週末を利用しては出湯巡りを楽しんでいる.たまたまパンフレットで目にした山間の一軒宿を訪れた.出迎えた女将が私を見て,驚いた顔をした.そして「先生には私の夫が手術していただき,大変感謝しております」と語り,外で畑仕事に勤しんでいた夫のYさんを急いで連れてきた.Yさんも私を見て,懐かしそうな顔をした.
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